HOME - 弁護士コラム一覧 - 2009-09-24

弁護士コラム

東海地方初めての裁判員裁判を担当して

 9月15~17日にかけて東海地方で初めてとなる「裁判員裁判」を担当した。事件は「強盗致傷罪」、結果は検事求刑8年に対し、6年6カ月だった。
 若年被告人の生育と家庭に問題がある事件だっただけに裁判員の皆さんに刑事裁判の意味を考えてもらい、「拘束すること」が裁判のすべてではないと訴えたが結局は受け入れられなかった形となった。
 法定刑6年以上という罰条があり、その手前(今回は5年程度)を意識したが、示談成立がありながら酌量減軽にならなかった理由は何かを検討しなくてはならない。(酌量減軽とは何かの研究が足りない。)
 問題行動を起こす被告人には適切な医療措置が必要であり、収監措置は医療と矛盾すると訴えたつもりだったが、短い時間の検討では、裁判員には問題の本質が理解できないのではないかという感じがした。
 ともあれ、新しい裁判員制度は国民を司法の場に登場させる画期的な装置であり、うまく育てていきたい。法曹関係者の中には消極的に捕えている人もいる。制度の変革にはいろいろ難しさを伴うが、「変化こそが命」であり、理念を育てるように努力してもらいたいと思う。
 裁判員制度は検察と弁護が真正面からぶつかり合う、真剣勝負の場所であり、法曹の鍛えの場所となるだろう。国民の関心も広がり、主権者意識が高まれば制度にコストをかける意味も出てくると思う。
 裁判員のみならず、一般国民が開かれる裁判員裁判を傍聴し、人間の生きざまを考える場所ができれば、大いに意味のある機会ができるだろう。
 それにしても報道関係者のみが法廷を埋めてしまうような実情の改善も必要と思われた。

平成21年9月21日

                           弁護士 加藤謙一

(2009-09-24)

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