弁護士コラム
読書会「グループ2022」第17回例会予告
4月26日、ジョン・W・ダワ―、ガバン・マコーマック共著の「転換期の日本へ」(NHK出版新書)を教材として第16回の読書会を開催した。今回も参加者がなく、一人の読書会で終わった。
しかし、思索の時間を確保することは重要で、このまま続けることとした。
本書は、サンフランシスコ体制がもたらしている緊張を説明し、日本が依然としてアメリカの「属国」でいることの異常を警告している。
この属国化は、日本の憲法とのかかわりで成り立っており、憲法9条体制と米軍の永久駐留が永久属国化という仕組みを固定化している。
敗戦国ドイツと日本の違いがどこから来ているのか研究が必要である。
おりしも、オバマ米大統領が日本を訪問し、日本における「集団的自衛権」の議論を歓迎し、支持するとの表明がなされたが、「属国」としての日本が目覚めることを歓迎しているという文脈の中での表明で有ることを認識しておく必要がある。
次回17回例会ではこの「集団的自衛権」を正面から学ぶために、自民党幹事長の石波茂氏の「日本人のための集団的自衛権入門」(新潮新書:680円)を取り上げ、徹底討論したい。
明年で、終戦から70年となる。戦後体制からの脱却が叫ばれて久しい。日本の立ち位置をどこに置くのか自立した議論が望まれる。この読書会がその第1歩になればと考えている。
国家の自立ということに若い人が無関心過ぎると思われる。それは、国家を語ることが、戦争を語ることのように忌避されていた戦後教育のひずみのように思われる。若い人の参加を希望する。
真夏の読書会で有り、終了後はビールでも飲みに出たい。
第17回例会の要領
期日 平成26年8月16日(土)午後4時から6時
場所 さくら総合法律事務所 のぞみホール
教材 「日本人のための集団的自衛権入門」(新潮新書:680円)」
著者 石波 茂
参加費 無 料
平成26年4月28日
主宰者 弁護士 加 藤 謙 一
(2014-04-28)