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弁護士コラム

弁護士1日日記 平成26年5月度

「シマトネリコ」の葉は春に落ちる 
 桜の季節が終わった。変わって新緑の季節となった。事務所のシンボル「山桜」も緑一色となった。(今年のヤマザクラは花が少なかった。昨年枝を打ち過ぎたせいか)
 もう一つの事務所のシンボルはテラスの「シマトネリコ」である。シマトネリコは、春になると葉を落とし、新芽に入れ替わる。4月から5月にかけてシマトネリコは鮮やかな変化を見せる。そして年々成長して行く。
5月1日は、茶の世界では「炉」から「風炉」に移る時期だ。夏の準備に取りかかろうと言うわけだ。
 事務所の「浄楽我常庵」も「風炉」の準備をしなくてはならない。昨年11月1日に「炉」を切ってから一度も炭を入れることが無かった。事務所に取って激動の時代だった。
新事務所開設から5年6か月が経った。これからの4年半は充実した時代となると確信する。一人一人と若い人材が育ち、堅固な城が築かれることを願いたい。

4月21日、かって勤務した児玉興業の松田会長に招かれ「第253回:月曜会例会」でスピーチを行った。実に41年ぶりである。
松田会長は93歳であるが、代表世話人として会議の進行を一人で行っていた。私が18歳で入社した頃と全く変わっていない。地域に、人々に尽くす姿勢には学ぶものが多い。
 その際、日本が戦った「レイテ島玉砕」について触れた。私の父が戦った場所である。その悲惨な戦いから何が見えるかを語ったが、戦争の悲惨さと日本人の特質に触れた。
 世界史の中に特筆されるべき日本という国が立っている位置と理由を考えた。
来年で終戦から70年という時期を迎える。大戦で戦った大正末期生まれの人々が90代後半に入り、歴史を知る人がいなくなる時代となる。
 戦後世代のわれわれも65歳を越え、年金世代となる。養う世代から養われる世代へと移り行くが、先人が奮闘していることを見ると隠居する時代ではないと言うことを感じた。
縁とは不思議なもの、有りがたいものだ。
   
   平成26年5月1日
                                       弁護士 加 藤 謙 一

(2014-05-01)