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弁護士コラム

弁護士1日日記 平成26年6月度

下部田池は恋の季節
 事務所の隣の下部田池は、この頃「グルルン、グルルン」と大きな泣き声が朝から響く。
 ヒキガエル(ウシガエル?)が恋の季節を迎えている。大きな蛙が何百匹と蠢いている。天敵であろうか、サギがやってくる。しかし、その膨大な数は、多少の犠牲をものともせず、増え続けている。
 子どもの頃、池のウシガエルを釣って売りに行ったことがある。だから「食用ガエル」と言っていた。
 今でも、どこかでカエルを食べているのだろうか。
 思うところがあって大岡昇平の「レイテ戦記」を読んだ。膨大な記録でとても消化できる量ではないが、走り読んだ。兵士たちが食べていたのはジャングル中の「カエルやトカゲ」だったと記録されている。「レイテ島」のカエルはウシガエルのような大きさなんだろうか。

 6月7日(土)に次年度採用予定の修習生と面会する。これまでの仕事をこなすための採用ではなく、後継者を選ぶという視点での採用である。
 こちらから一方的に選ぶことは出来ない。互いに「選ぶ権利」がある。
 選んでいただける要素がどこにあるのか、「さくら総合法律事務所」の「アイデンティティ」の問題である。男と女の出会いと同じだ。
 この人は自分に取ってかけがえのない人なんだろうか、もっと素敵な人が現れないだろうかと誰でも悩む。結局「破れ鍋に綴蓋」で、そこそこの人と結婚する。
 問題は、それからが大切なんだろう。理想の家庭を目指して、二人で「家」(ファミリー)作りに勤しむ。だんだんと形が出来上がってくる。その人らしい「家族団欒」の完成がある。
 法律事務所も、個性豊かな人材が結集し、その事務所の「職域」を構築し、「アイデンティティ」が出来上がってくる。
 もともとのボスが個性を確定できるわけでもない。時代は移り、人も移る。唯、「地域の灯台」として輝き続けてほしいというのは創立者の願いである。
 

平成26年6月1日
                         弁護士 加 藤 謙 一

(2014-06-02)