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弁護士コラム

弁護士1日日記 平成26年7月度

夏来る
 2014年7月1日、政府は「集団的自衛権」行使容認を閣議決定するという。
 今朝の朝日新聞は『「専守防衛」という日本の安全保障政策が転換点を迎えた』と論評している。
政府側は、「抑止力を高めるための決断で有り、「専守防衛」の理念は変わらない」と説明し、議論がかみ合っていない。
 閣議決定は、事の始まりであり、今後国会論議を経て立法作業が行われる中で問題点が浮き彫りにされていくであろう。
 石原慎太郎が「この国の行方は後2・3年で決まる」と発言していたが、いずれにしても「暑い夏」が始まる。
5年後、10年後に今日の日を振り返ることになるかもしれない。

 今年も半年が過ぎた。今日から後半戦で有る。弁護士事務所が出来ること、なすべきことを模索している。
活性化する企業活動と並行して法的戦略を検討すること、家庭生活の中にある法的問題を網羅的に検討し、サービスの質を高めること、隣接士業との業際を見極めつつ、業務の拡大を意識することなど抽象的ではあるが検討課題としている。

 相変わらず、事務所には家庭生活の混乱の相談が多い。
結婚するということは「世帯を構える」ということであり、「独立した経済活動体」を築くことである。
一国の独立と似ている。「収支のバランス」が取れていなければ崩壊する。夫にも妻にも外部からの刺激が加えられ、不倫の危機がやってくる。
 国家を形作る「アイデンティティー」があるように、各家庭にも「独立した顔」が無くてはならない。妻と夫そして生まれ出る子どもたちで構成する「ファミリー」という集合体、それが永続する「もの」として確立すること、それが結婚することの意味のように思う。
 「この人」と暮らすことの意味がどこにあるのか解らない「漂流家庭」となると深刻な事態に陥る。
 家庭を構えることは「生きることの意味」を考えることである。

        平成26年7月1日
                               弁護士 加 藤 謙 一

(2014-07-01)