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弁護士コラム

令和2年5月度 弁護士一日日記〈新型コロナはピークアウト?〉

弁護士1日日記 令和2年5月度
新型コロナウイルスはピークアウトしたか?
 4月1日のこのコラムの記事では新型コロナウイルスが世界中で激増し、感染者が80万人に迫っていると書いたが、4月30日の報道では遂に感染者が4倍の「319万人」に達し、死者も23万人に迫っているとのことであった。
日本では、感染者合計1万4千人、死者415人との報道であった。
日本の3倍の人口を持つアメリカが感染者数104万人、死者6万人という惨状にあることを考えると、健闘していると解すべき数字なのだろう。
国内に初めて「緊急事態宣言」が出され、商店が軒並み休業に陥っており、莫大な経済的損失を出した。
国会では昨日、25兆円に上る補正予算を成立させ、すべての国民に一律10万円の特別給付金を支給するなどの経済対策に乗り出したが果たして我が国の経済がどの程度痛めつけられているのか未知数だ。
幸い、外出規制要請などの効果で感染者数が縮小しており、出口が見えつつある。
裁判所も全面的に期日を取り消し、再指定は5月7日以降になる。5月中は緊急事態宣言が維持される見込みであり、諸問題の司法による解決もまた1か月待たされることになりそうだ。
社会的な諸活動も中止が相次ぎ、時間ができたことから読書の時間が増え、ユヴァル・ノア・ハラリの三部作「サピエンス全史」「ホモ・デウス」「トウエンティワンレッスンズ」を読み切った。
人間の歴史の中で「疫病」がもたらした変化を考えた。過去には数千万人もの死者を出した疫病もあった。疫学的知識が進み、外出制限という政策が伝播され、死者が現時点で23万人程度に抑えられているのは人類の英知のおかげかもしれない。
しかし、このコロナ問題は必ず歴史に変化をもたらすだろう。変化の歴史は始まったばかりだ。
明年7月、東京オリンピックが無事開催できるだろうか。そのオリンピックはどんなものになっているのだろうか。
6月1日のコラムも「コロナ終息宣言?」をテーマに書いてみよう。

令和2年5月1日
                        弁護士 加 藤 謙 一

(2020-05-01)