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よくある質問

労働Q&A




11.




A社はB社から自動車部品の製造業務を請負い、B社の工場に従業員を派遣していますが、A社の従業員に対する業務指示は、A社の管理者(A社従業員らの上司に該当する製造部長C氏)が行い、B社からA社の従業員に対する指示を行うときは、C氏を通じて行っています。
しかし先日、A社の従業員から「偽装請負であるので違法である」等の指摘がありました。
A社としては、B社との間の契約は請負であると考えていますが、請負と派遣の違いは何でしょうか?















11.















(1) 本件ではAは自らの従業員を管理しているので、AB間の契約は「請負」
  契約という実態に合っていることになります。しかし、実態として、Aの担当
  者がAの従業員を管理していない場合(現実にはB社が直接Aの従業員
  を管理しているとみられる場合など)は「派遣」に近づきますので、注意が
  必要です。

(2) 請負と派遣の相違点は、AからBに派遣されたAの従業員について、指
  揮監督を派遣元Aが行うか、派遣先Bが行うかによります。
  派遣契約の場合には、Aの従業員がBの指揮監督に服することとなります。
  請負契約の場合には、Aの従業員は、「就業場所がB」というだけであり、
  Aの管理者からの指揮監督を行う必要があります。

(3) 「偽装請負」とは、契約は請負であるが、実態が「派遣」である
  場合であり、A社の従業員に対する指揮監督を、B社が直接行っている場
  合です。
   本件ではAは自らの従業員を管理しているので、実態も「請負」契約と
  認められますが、(1)で述べたとおり、実にはB社がAの従業員を管理
  しているとみられる場合などには「派遣」に近づきますので、「偽装請負」
  となる事態を避けるために、注意が必要です。

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