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弁護士コラム

弁護士1日日記 平成27年9月度

「先輩を送る」

 今年は別れの年となった。しかし、別れには意味がある、いや故人の尊厳のため、意味を持たせなくてはならない。

 1月30日に愛犬「あくび」が死んだ。母との散歩から帰ったまま玄関で逝った。あくびが最も愛した娘(のぞみ)との別れが3月と迫っていた。15年間も生きただろうか。娘は18歳だから一緒に育ったような存在だった。その娘が東京の大学に行くこととなった。その直前の死だった。

 父が5月11日他界した。満95歳だったから何の不足もなかろう。母が86歳で残った。父とは別離を繰り返した人生だったが最後に母に年金を残して逝った。母の人生があと何年あるかわからないが、おかげでゆとりのある時間を過ごすことが出来るだろう。

 8月10日、突然先輩U氏が他界した。72歳だった。私を津市に導いてくれたような存在で、津市での31年間を守ってくれた。元気一杯だった先輩が突然事故で逝った。
 今年のライオンズクラブでの私の活動を支えてくれる一人でもあった事から衝撃を受けた。なぜ、こんな時に逝ってしまったのか。
 
 人にはそれぞれの道があり、世界がある。その人の死はそれぞれに意味を持つものだろう。
 元気一杯の先輩が72歳でなくなったことから、67歳を迎えた自分にも自分が感じているような時間が残っていないのかもしれないと感ずるようになった。
 
 生きて自分がなさねばならないことは何か。「やりきった、悔いがない」と言える人生を生きる人は少ないであろう。しかし為さねばならないと感ずるをして生きることが出来れば、道半ばであったとしてもそれはそれで良しとせねばならない。
 今年はライオンズ活動で忙しい。地域社会で生きる事の意義を見出す活動でもある。その後にくる時間こそ「最後のチャレンジ」となるとイメージしてこの1年を生き抜こう。

平成27年9月1日
             弁護士 加藤謙一

(2015-09-01)