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弁護士コラム

弁護士1日日記(H25、2月度)

「原点に戻って」

「原点に戻って」と銘打って1カ月が過ぎた。土曜も、日曜も働く1カ月だった。(寒いので好きなゴルフもしなかった。)
 
 政権が替わって、円安・株高傾向となり、社会の様相が変わって来たように思える。これから何が起こってくるのか、もうすぐ大震災から2年目を迎える、日本の復興がよく見えない。

 社会が大きく変化しようとしているが、弁護士の仕事は、個々の人々の営みと共にあるので、社会の進歩と離れて、後ろからついて行くような気がする。(私が手掛けている仕事(家事問題が多い)の所為かも知れない。)

 教育現場(スポーツ現場)の体罰が問題として議論されている。そこにあるのは「勝負至上主義」だろう。
 教育の目標がどこにあるのか気にかかる。「知育・体育・徳育」という。最も大切なのは「徳育」ではないか。「人間性」「人格の陶冶」を見失った教育が進行しているのではないか。

 社会全体で「徳育」の価値を見失ってしまうと、その社会は「金銭至上主義」のようなつまらない社会となる。ましてや国際社会でそれが横行すると「実力主義」の牙が向かってくるような気がする。

 2月度の読書会は「中国」をテーマとしているが、かの国の理想がどこにあるか日本人にはよく見えない。かつて日本も「経済至上主義」と非難された時代があったので同じ道を歩んでいるのかもしれない。

 社会のどこかで「恥を知る」という反省の機会がないと社会は暴走するような気がする。

 今年65歳となるがもう一度「原点に立ち返って」恥じない弁護士活動をしたい。

平成25年2月1日
弁護士 加 藤 謙 一

(2013-02-01)