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弁護士コラム

弁護士1日日記 平成27年10月度

「シリア難民問題」
 今年も後3カ月となり、来年が見えて来た。来年は新人弁護士を求めず、1年間、力を蓄える年と考え、4人弁護士体制で行くつもりである。
 無理をする時代ではなく、若い世代が成長する年となろう。
 今年の10月1日は国勢調査の月で各地の実情が浮き彫りになろう。地方の人口減少・高齢化が一層浮き彫りになると思われる。
 人口減少は、地域経済の縮小を意味し、活気が失われていく様をしめす。その分都会に人が集まり、都市と地方の落差は一層拡大する事であろう。
 
 目を転ずると今年はシリアという国家が崩壊し、国民が数十万の単位で難民化している。難民の増加で残留する国民も経済活動の場を失い、更に難民化するという悪循環に陥る。
 シリア政府は今や何もできず、自己防衛に走っているようであるが、何のための政府かと疑問に思う。
 ヨーロッパ各国が難民受け入れに難色を示している。とりわけ入口となっているギリシャは自国の経済が混乱している時でもあり、苦渋に満ちている事は容易に推察できる。
 難民は、とりあえず自分たちの文化を理解してくれるヨーロッパに移動しているが、人口問題とは別に、わが国には多くの難民を受け入れる余地があるのではないか。

 有る市民団体が、日本政府に難民受け入れを要請している報道が有ったが、「積極的平和主義」の見せどころと思われる。
 一般に我が国は、難民受け入れに消極的である。多民族に晒される事を恐れているように思われる。
 しかし、世界で最もやさしい国、おもてなしの国となるべく、難民政策を転換することを期待したい。
 新しい人々は最初は負担の増加をもたらすが、やがて新しい文化を植え付け、国家の力となる。なによりも国際社会に存在感をアピールする事も出来る。軍事国家にならず、平和国家に徹するために国際貢献の方向性を示す必要がある。

平成27年10月1日 弁護士 加 藤 謙 一

(2015-10-01)