HOME - 弁護士コラム一覧 - 2022-04-07

弁護士コラム

内藤光晴弁護士 コラム【言葉は薬にも凶器にもなる】

アカデミー賞授賞式で俳優ウィル・スミスが司会者をビンタするという事件がありました。
ビンタの是非はさておき、そのきっかけとなった司会者の発言について、みなさんはどうお考えでしょうか。

ウィル・スミスの妻であるジェイダは脱毛症のため丸刈りで、なんでも以前から脱毛症で悩んでいること、また、その話題には触れられたくないことを公言していたようです。司会者はそんな妻ジェイダに対して「(丸刈りのヒロインが登場する)『G.I ジェーン』の続きが楽しみだね」と。このジョークがアメリカの文化の中でどのように捉えられているのかは分かりませんが、少なくともあの会場では笑いが起きていました。

日本では、最近でこそ人を傷つける笑いはどうかという風潮があるように感じますが、それでも依然としてテレビや日常で人の容姿を揶揄するような笑いはあふれています。私もそれを聞いて笑いますし、私自身がそのような発言をすることも多々あります。

どこまでジョークとして許されるのかは、当事者個々人の性格や関係性、場面、その国の文化などによって変わってくるでしょうし、当事者とその他の人でも受け取り方は違うでしょう。ジョークにすることで笑いが起こることも、救われることもあります。

言葉は薬にも凶器にもなる。言葉の使い方は日々考えていきたいものです。

ちなみに我が家では、息子たちが「お父さんはデブだ」「いや、デブじゃない、ハゲだ」などと私をいじって笑っています。そして、絶対に他人に同じことを言っちゃだめだと教育しています。

以 上

弁護士 内藤 光晴

(2022-04-07)