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弁護士コラム

加藤弁護士 一日日記【ウクライナに平和を(その4)】

弁護士1日日記 令和4年7月度
【ウクライナに平和を(その4):参議院選挙はどうなるか】
2022年2月24日に始まったロシアのウクライナ侵攻は4か月を越えても終わる気配がない。
ロシア大統領プーチンは6月30日、樺太にある液化天然ガス(LNG)石油開発事業運営会社(サハリン2)に対し、その権益をロシア企業に譲渡するよう命ずる大統領令を発したと報じられた。
その内容は明らかではないが、多額の出資をしている三菱商事、三井物産の権利がどのようになるのか、採掘されるLNGがどのように扱われるか懸念が高まる。ロシアのウクライナ侵攻は欧米・日本との間で資源戦争の様相が濃くなってきた。
資源を持つ国は資源を売ってナンボの世界であり、売らないということを切り札としても国内的には収入がなくなる。買う方は他国からの入手が可能であれば、切り替えることとなるが、新しい取引がそんなに簡単にできることでもなく、価格上昇をともなうので国内景気が圧迫される。
我慢比べの日々が続くが1年を越して我慢することは困難であろう。ウクライナのゼレンスキー大統領は年内終結を目指すと公言しているが、プーチンはいつ終わるかそんなことは言えないと言った強気の発言をしている。ロシア兵士の死傷より、自分のメンツの方が大切といった感じになっている。

こうした、戦後最大の困難な時代状況の中で、参議院選挙が行われている。戦争を防ぐ最良の道とは何かは哲学的命題だ。武器の山があれば相手の侵略を防ぐことができるのか。核には核という泥沼に入ろうとするのか、勢いのいい候補者は日本も核兵器を持とうと叫んでいる。国際社会がそれを容認するか、北朝鮮化することにもなりかねない、底の浅い議論だ。
しかし、国際社会の信義と誠実に頼るというのも頼りない話だ。かくして議論の出口はすぐ見えなくなる。
国民はどんな政党を選ぶのであろうか。

加えて、我が国のコロナ状況はまた増加に転じている。しかし、国民は開き直っているようにも思われる。「サル痘」の話も出ており、国際社会は不安定な時代を迎えている。

令和4年7月4日
                        弁護士 加 藤 謙 一

(2022-07-04)