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弁護士コラム

加藤弁護士 一日日記【10月27日 衆院選挙】

弁護士1日日記 令和6年10月度
【10月27日衆院選挙】
9月27日の自民党総裁選挙で総裁の地位を主とした石破茂氏は総理就任以前である9月30日、10月9日に衆議院を解散し、10月15日公示、10月27日選挙を行うと発表した。
異例の事態であり、石破氏の従前の主張からズレているとの批判が新聞各紙の意見として掲載されている。
政治資金の在り方(裏金問題)から生じた岸田首相の総裁選不出馬の中で行われた総裁選で、早期解散を訴える小泉氏らに対し、石破氏はきちんとした議論をして争点を国民に示したうえで総選挙を行うべきであると述べていただけにその変節ぶりを指摘されている。
「色々なことがあっても、新総理の下で行う総選挙はご祝儀相場が効いて、勝てる」という俗説だけを根拠としているならば、危険だ。
野党各党に準備の時間を与えないという戦術だろうか。
11月にはアメリカの大統領選挙があり、その結果次第では大きな変化がやって来る。日本という国の舵取りを間違えないよう祈るしかない。

イスラエルが隣国レバノンへ地上侵攻を始め、首都ベイルートへの空爆も開始した。「ヒズボラ勢力の一掃」が大義名分だ。レバノンはこの2週間のイスラエルの攻撃で死者が1000名を越えたと発表している。
昨年10月8日に始まったガザ地区攻撃は「ハマス勢力の一掃」が大義名分だ。その間にガザ地区住民が4万人以上死亡した。ガザの町は殆ど原型をとどめないような空襲を受け、まるで戦後の日本の都市のようである。
ヒズボラ勢力の一掃を大義にレバノンに攻め込めば、ガザと違い、曲がりなりにも1国を攻撃する構図となり、国家間紛争となる。ヒズボラを支援しているイランも黙視しないだろう。
一方でイエメンの親イラン組織フーシを排除するため、イエメンの港湾都市ホデイダなどへの空爆も開始し、イスラエルの戦線は「三正面」となった。
中東情勢が10月は焦点となるかもしれない。引退が明らかなバイデンアメリカ大統領に出来ることがあるだろうか。

令和6年(2024年)10月1日
                        弁護士 加 藤 謙 一

(2024-10-01)