弁護士コラム
加藤弁護士 一日日記【南海トラフ被害想定2025】
弁護士1日日記 令和7年4月度
【南海トラフ被害想定2025】
3月28日、ミャンマー中部でマグニチュード7.7の大地震が発生し、「2056名死亡・270名行方不明」との報道がある中で、政府は、想定マグニチュード9.0の大震災「南海トラフ地震」が30年以内80%の確率でやって来るとの想定の下、被害見込みを発表した。
それによれば、想定死者数「298$#44;000人」、全倒壊家屋「235万棟」避難者数「1000万人」という膨大なものとなっている。
我が三重県の想定被害は、死者「29$#44;000人」、全倒壊家屋「233$#44;000棟」避難者数「704$#44;000人」となっている。
押し寄せる津波は、地震発生後、3分で尾鷲市に17メートルの津波、5分で志摩市に26メートルの津波、我が津市には、57分後6メートルの津波が押し寄せるとされている。
津市の海岸には6メートルを越える防潮堤は無く、津波は軽々と海岸地域に押し寄せることとなると思われる。
「30年以内80%」という話は既に10年以上前からなされており、現実性に疑問も持つが東南海大震災は「100年~150年」の範囲で発生しているとされており、我々が生きている期間に発生する可能性は否定できないだろう。(我々の子供、孫たちの時代までには確実に発生すると考えた方がいいかもしれない。)
問題は、我々はどう備えたらいいのかという問題であろう。
家の耐震化を進めるとか、家具の転倒防止策を進めるとか、非常食などの準備をしておくなど、できることは進めるとして、いざとなったらどこへ逃げるか、逃げる場所の確認と、避難場所の合理的な対策(行政の仕事と思われるが食料の備蓄や寝具の備え、避難場所の確保等)が急務であろう。
いざという時に、誰が助けに来てくれるのか、日ごろから被害救済対策(提携地域確立)を結んでおくことも大切なことと思われる。
震災が起きてから、何をしたらいいのか迷うのではなく、提携している地域と連絡を取り、的確に被害状況を把握して、現地に急行する備えが必要と思われる。誰が被害者になるかわからない。自宅の被害対策をしても、いざという時、自宅にいるとは限らない。悲喜こもごもの事態が生ずるのが人生である。祈るのみか。
令和7年(2025年)4月1日
弁護士 加 藤 謙 一
(2025-04-01)