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Ｑ

４．

従業員が未払残業代の請求をしてきた場合の対応は、どのようにすればよいでしょうか？
その従業員は意図的に、退社を遅らせる姿が見られており、タイムカードには、実際の退社時刻が打刻されていても、会社としては争いたいと思っています。

Ａ

４．

（１）従業員の請求がどの程度、正当なものなのかを検討する必要があります。
（２）その後、（従業員の請求のうち、正当な部分があった場合には）具体的対応
　　　としては、何割かを支払う方向で示談を行うか、支払いを拒否して裁判に持
　　　ち込むか、等を検討する必要があります。裁判上の証拠としてタイムカード
　　　や就業日報、労働者のメモ等が提出される場合があり、裁判になった場合
　　　の見込み【従業員が勝訴した場合のリスク】を十分に考慮する必要がありま
　　　す。
（３）従業員が意図的に退社を遅らせていた場合、実際に仕事が終わった時刻
　　　より遅い時刻が「終業時刻」として、タイムカード等に記載されることにな
　　　ります。
　　　では、会社側の主張（タイムカードは実際の労働時間とは異なる）を、裁判
　　　所は認めてくれるでしょうか？
　　　裁判所は、基本的にはタイムカードや業務日報については実際の労働時
　　　間を示す証拠として扱うことが多く、会社側で、実際の労働時間とは違う、
　　　という主張をしても認められることは困難です。
　　　会社は、タイムカードの打刻や業務日報への終業時刻の記載が適切にさ
　　　れているかをチェックし、問題がある場合は指導していく必要があります。
（４）なお残業代請求は２年の消滅時効にかかることにも、注意が必要です。