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よくある質問

労働Q&A

12.

X社が経営する飲食店の営業を、Y社が譲り受けるに際し、X社の従業員を雇用しないということはできますか?
その場合の注意点は何ですか?
Xの一部の従業員だけをYが譲りうける場合は、どうでしょうか?




















12.




















XとXの従業員の間の雇用契約をYが引き継がないという合意は原則として有効ですので、YはX社の従業員を雇用しないということは可能です。
その場合は Xの従業員について、Xが整理解雇をする形になります。
次にYが、Xの従業員の一部を雇い入れる場合は、XY間で、原則としてXの従業員との間の雇用契約をYが引き継がないとしたうえで、「ただし、Xの従業員のうち、一定の要件を満たす者に関しては、従業員の同意を得てYが雇用するものとする。」といった要件を、営業譲渡契約書に明記する必要があります。

(1)吸収合併(YがXの地位を包括的に承継する)と異なり営業譲渡の場合は、
  Xの権利義務は当然にはYに承継されない原則であり、Xの労働契約をYが
  引き継ぐかどうかに関しても、個別の合意が必要となります。

(2)Xの従業員をYが雇用しない場合、Xの従業員については、Xの側で整理解
  雇をする形になると解されますので、いわゆる「整理解雇の4要件」が適用さ
  れると解されます。したがって、(1)解雇の必要性(2)解雇回避努力(3)人
  選の適切性(4)解雇に際しての説明を満たす必要があります。

(3)Yが、Xの従業員の一部を雇い入れる場合、Yが雇用契約の一部を引き継ぐ
  場合は、労働者の同意を得ることが必要になりますので、XY間で、原則とし
  てXの労働契約を承継しない、としたうえで、「ただし、Xの従業員のうち、一
  定の要件を満たす者に関しては、従業員の同意を得てYが雇用する。」と
  いった内容を、営業譲渡契約書に明記する必要があります。
   XからYに承継されないXの従業員については、Xの側で整理解雇をする
  形になると解されますので、(2)と同じ手続が必要になります。

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