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よくある質問

相続・遺言Q&A

8.

私たちには、3人の兄弟がいます。兄が妻子を残し行方不明となっており、噂では、女性と暮らしているとのことです。
父は、妻子を捨てていくような兄には遺産を渡したくないと言っています。
遺言を書いておけばよいのでしょうか?












8.











遺言を書くだけの場合、お兄様には遺留分として一定の割合に相当する額を請求できる権利が残ります(民法1028条)。
遺留分を請求できる権利を消滅させるためには、裁判所に対し「推定相続人の廃除」の申立をする必要があります(民法892条)。
また、廃除は遺言ですることもできます(民法893条)。被相続人に対する虐待、重大な侮辱、相続人の著しい非行が廃除事由となります。
本件のような妻子を残したまま行方不明になったことは、相続人に「著しい非行」があったことを基礎づける一つの要素となると考えられますが、廃除が認められるかについては様々な事情が考慮されるため、他の事情も含めて検討する必要があります (※)。
事情によっては、本回答と異なってくる場合がございますので、まずは弁護士にご相談ください。




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(※)

類似の事案において廃除を認めたものとして、福島家審平成19年10月31日 家月6巻4号101頁がある。しかし、この事案では、妻子を残したまま行方不明になったことに加えて、70歳を 超え介護が必要な状態にあった被相続人の介護を妻に任せたまま出奔したことや、父から相続した田畑を親族ら に知らせないまま売却したことも考慮されていることから、上記ケースにおいて廃除が認められるかについては 必ずしも明らかでない。

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